王監督への侮蔑

 ここに1つのアンケート結果がある。「あなたにとって、学校の先生、父親、母親はどんな人ですか?」という問に対して、教師を尊敬できる人と答えた日本の高校生は、わずかに11.5パーセント。(「中学生・高校生の日常生活に関する調査報告書:日本・米国・中国の3カ国の比較」2000年4月 財団法人日本青少年研究所)同様に、母親を尊敬できる人とした高校生は、米国の53.6パーセントに対して、26パーセントと半分にも満たない。
 この結果を、日本の大人達は子ども達にとってより親しい存在であるがため、尊敬という言葉があてはまらない、と見ることもできなくはない。しかし、母親を「何でも打ち明けられる人」とした日本人高校生は18.6%、父親については3.2%、教師にいたっては2.3%に過ぎない。
 
 私達はこの数字をどのように捉えるべきなのか。そしてなぜ、このようなことになってしまったのか。
 あるバラエティー番組の中では、福岡ダイエーホークスの王貞治監督を侮辱するコントが放送された。王監督の顔を便器にあつらえ、若手芸人がまたがって見せたのだそうだ。あまりにひどい内容に、球団側はすぐに抗議。日本シリーズの放映権を巡る問題にまで発展した。
 世間には、これを他人事と見る向きもある。しかし事は、単に王監督の人権問題にとどまらない。国民栄誉賞を受賞した王氏でさえ、このような‘からかい’の対象とされてしまうご時世にあって、子ども達が親や教師や地域の大人達を尊敬するようになどなるだろうか。

小野村哲

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